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古きに学ぶ

 

本を読み古きを知るひよこのイメージ

円滑に人生を送るには、考え方・思考法・価値観が重要です。
こうした概念を知る際には古きに学ぶ方法をおすすめします。
時代が移り変わっても、人間の本質は変わりません。歴史に残る書物の中に、現代へ通じるヒントがたくさん隠されていますよ。

 

古きに学ぶお奨めの作品をピックアップしてきました。
古文が苦手な方でも要点を分かりやすく解説しているので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

 

孫子

 

孫子は紀元前500年前。
中国の春秋時代の武将「孫子」による兵法書です。
争いの絶えなかった時代において、戦いを勝ち抜いて生き抜ける必勝法ではなく、戦いに負けずに生き残っていく方法と思想を幅広く紹介しています
現代の日常生活にも共通点が多く、無闇にトラブルへ口を突っ込むのではなく、不要な争い・トラブルを対処することが大切です。

 

全てを逃げ回るのではなく、戦略的に戦いを進めて有利な立場を作ることを得意にした策略家として大きな功績を残しています。

 

「孫子」の中で気になるポイントをまとめました。

 

  • 戦いは騙し合い。ハッタリが有効で戦う意思がないフリをすることも重要
  • 捕虜にした兵は拷問・殺傷するのではなく待遇をよくして仲間に変える
  • あえて短期戦に持ち込むことが有効な場面が多いが、長期戦に持ち込むメリットはない
  • 勝者とは戦うべき時と戦わなくてもいい時を見極められる
  • 戦いで大切なのは相手の意図を正しく認識すること
  • 先手必勝で相手の準備が整っていないうちに攻めることが効果的
  • 敵の兵力と味方の兵力の違いで戦法を変える(圧倒的不利なら逃げて隠れる)
  • 戦う前に勝つ方法を整理する者が勝ち、戦いを始めてからなんとか勝とうと考え始める者は負ける
  • トップと現場指揮官の間に溝があってはいけない
  • 現場の実情を知らないトップは現場に口出ししない

 

これらはあくまでも一例です。古物の中でも1作の文字数が少なく、読みやすく和訳・漫画化・映像化したものがたくさんあります。
気になった方は原作をチェックしてみてください。
経営者や一家の大黒柱などリーダーの立場の方に役立つ情報が特に多いです。

 

論語と算盤

 

論語と算盤は徳川家末期の家臣(武士)から、大蔵省・実業家として幅広い分野で功績を残した渋沢栄一の著書です。
2024年より新1万円札の肖像画になるため、今後ますます注目度を高めていくでしょう。

 

「論語と算盤」は経済論を説いた書物で、「論語=論理」、「算段=利益」。
この2つが揃った時に利益が出ることを詳しく解説しています。
題名と概要を見ると難しそうに感じますが、要点をまとめると以下の通りです。

 

  • 利益も競争も卑しいものではない、利益も競争も貴び善用する(武士論などの応用)
  • より多くの人や社会全体の利益になるビジネスをするべき
  • 目先の失敗を見るのではなく、ひたむきに努力を続ける
  • 人間と人間社会の本質は時代が変わっても変化しない
  • 自社の利益だけではなく国・社会全体に利益を還元するべき

 

このように経営者としての理想の形や自身が成功した秘訣を書いたビジネス書ですが、身近な人間関係に当てはめて考えることもできます。
自分のみの小さい世界で損得勘定するのではなく、グループ全体にとって有益になる言動を心がけることが、人間性や一つの組織が成功・成長するためのコツ。
そして論語と算盤はどちらか一方だけが優れていても成立せず、両方を兼ね備えることが成功するための最低条件であることを強くアピールしています。

 

チーズはどこへ消えた?

 

「チーズはどこへ消えた?」は1998年にアメリカで発売され、2019年までに世界で2,800万部以上の大ヒットを遂げた童話です。
子供でも理解できる簡単な話ですが、ビジネスの思考法に役立つことが多いと話題になったことで大ヒットを遂げました。
物語のあらすじをご覧ください。

 

登場人物(2匹のねずみと2人のこびと)
  • スニッフ(ねずみ)
  • スカリー(ねずみ)
  • ヘム(こびと)
  • ホー(こびと)

 

シチュエーション

登場人物のねずみとこびとはチーズを主食にしている。
そして迷路の世界の中からチーズ(チーズステーション)を探す
2匹のねずみはともに頭脳がなく頭を使うことができない、2人のこびとは知能があり賢いが、ヘムとホーは考え方が若干異なる。
そして登場人物それぞれが迷路をかけめぐり、ある日全員が大量のチーズがある「チーズステーションC」を発見する

 

初期対応

2匹のねずみは頭脳がないので、毎日走ってチーズステーションへ通う。
2人の小人は賢いのでチーズステーションCの近くに引っ越しをする。

 

チーズステーションCからチーズがなくなる

2匹のねずみは、頭脳がないので再び迷路の中を駆け巡ってチーズを探し回る。
2人の人間はショックから現実を受け入れられず、「もしかしたら今日はチーズステーションCにチーズがあるのではないか?」と期待して通っては、チーズがなくて落胆する日をしばらく繰り返す。

 

結末

2匹のねずみは単調に足で稼いで新たなチーズを探す行動を続ける
ホーはチーズステーションCに留まる未練を持ちつつ、最終的には「人生は進んでいく。ぼくらも進まなくてはならない」とヘムに言い残して迷路の世界へ進んでいく
ヘムはチーズステーションに留まる

 

最後は明確な結末がなく、読者に考えさせる終わり方をしています。

 

一般的にはホーがもっとも正当化されやすいですが、頭脳はなくても行動力のあるねずみが生き残れる可能性が高いといった見方もできます。
また、主人公的な存在のホーは、最後に変化は予測・探知するべきもので、変化が起こったら自分を変えることや変化を楽しむことが大切だと言って締めくくっています。

 

シンプルな話ですが、生活・ビジネスのあらゆるシーンに置き換えて考えることができるほか、人生やビジネスには必ず変化が起こることを分かりやすく伝えています。